ここでお話しすることをご理解頂くために、空手の系統を整理しておこう。まず、空手は首里系統と剛柔系統の二つに分かれる。このうち首里系統は、学校系統と自宅系統に分かれる。これを図示すると次のようになる。
系統1 | 系統2 | 沖縄空手 | 本土空手 | |
空手 | 首里系統 | 学校系統 | 屋部・花城系統などがあれば | 松濤館流、和道流など |
本部朝基系統などがあれば | ||||
自宅系統 | 少林流・小林流。松林流など | (糸東流) | ||
剛柔系統 | 剛柔流 | 剛柔流、(糸東流) | ||
上地系統 | 上地流 |
世界の空手は、主に本土の先生方が伝えたもので、日本本土と同様に四大流派と言うことになっている。すなわち松濤館流、糸東流、和道流、剛柔流である。ただ、本土と多少異なるのは、本土空手以外にも沖縄の先生方が普及に尽力して来られたからで、本土の四大流派以外にも沖縄空手が普及されていることである。
剛柔流では東恩納盛男先生が特に勇名だし、劉衛流の作本先生の知名度も高い。ショウリン流も根強く普及している。韓国のテコンドーも、現代のものは多少違うようだが、古いものは松濤館流とショウリン流が元になったと聞いたことがある。だから平安などの形も行われていた。ただし、これは廃止されてから十年以上経過しているようで現在は行われていない。
私は詳しいことは知らないし、現在は変更されているかと思うが、以前はWKF(世界空手連盟)の競技規則では形は四大流派に限られていたようである。そのため、通常は通用しない形も多いはずだが、それは糸東流ということで通用するそうで、アーナン、ヘイクー、パイクーなどの形が行われているのは、劉衛流の形としてではなく糸東流の形として通用していると聞いたことがある、何とも妙な話である。劉衛流と言うのは、形の内容から見ると首里系統とは全く異なる。剛柔流とも違うようであるが、中国福建拳法の系統とは感じられる。